ブンゴウメール公式ブログ

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武蔵野(26/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (534字。目安の読了時間:2分) この範囲の間に所沢、田無などいう駅がどんなに趣味が多いか……ことに夏の緑の深いころは。 さて立川からは多摩川を限界として上丸辺まで下る。 八王子はけっして武蔵野には入れられない。 そして丸子から下目…

武蔵野(26/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (534字。目安の読了時間:2分) この範囲の間に所沢、田無などいう駅がどんなに趣味が多いか……ことに夏の緑の深いころは。 さて立川からは多摩川を限界として上丸辺まで下る。 八王子はけっして武蔵野には入れられない。 そして丸子から下目…

武蔵野(25/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (597字。目安の読了時間:2分) 六つ玉川などと我々の先祖が名づけたことがあるが武蔵の多摩川のような川が、ほかにどこにあるか。 その川が平らな田と低い林とに連接する処の趣味は、あだかも首府が郊外と連接する処の趣味とともに無限の意…

武蔵野(24/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (591字。目安の読了時間:2分) しかしその市の尽くる処、すなわち町外ずれはかならず抹殺してはならぬ。 僕が考えには武蔵野の詩趣を描くにはかならずこの町外れを一の題目とせねばならぬと思う。 たとえば君が住まわれた渋谷の道玄坂の近…

武蔵野(23/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (551字。目安の読了時間:2分) むろん、この堤の上を麦藁帽子とステッキ一本で散歩する自分たちをも。 七 自分といっしょに小金井の堤を散歩した朋友は、今は判官になって地方に行っているが、自分の前号の文を読んで次のごとくに書いて送…

武蔵野(22/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (564字。目安の読了時間:2分) 自分たちはある橋の上に立って、流れの上と流れのすそと見比べていた。 光線の具合で流れの趣が絶えず変化している。 水上が突然薄暗くなるかとみると、雲の影が流れとともに、瞬く間に走ってきて自分たちの…

武蔵野(21/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (598字。目安の読了時間:2分) ただこれぎりなら夏らしくもないが、さて一種の濁った色の霞のようなものが、雲と雲との間をかき乱して、すべての空の模様を動揺、参差、任放、錯雑のありさまとなし、雲を劈く光線と雲より放つ陰翳とが彼方…