ブンゴウメール公式ブログ

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2020-04-27

イワンの馬鹿(58/61)

(508字。目安の読了時間:2分)  イワンはびっくりしました。 「じゃ、わしらを教えてくれ。わしらの手が萎えしびれた時に、そのかわりに頭で仕事をするようにね。」 とイワンは言いました。  悪魔は人民たちに教えることを約束しました。 そこでイワンは、あらゆる人たちに頭で働くことを教えることの出来る立派な先生が来たこと、その先生は手よりも頭でやる方がずっと仕事が出来ること...

2020-04-26

イワンの馬鹿(57/61)

(504字。目安の読了時間:2分) そうすりゃ手で働くより頭を使った方がどんなに得だかわかるだろう。」  イワンはびっくりしました。 そして、 「そうだとすりゃ、なるほど私らを馬鹿だと言うのももっともだ。」 と言いました。  そこで年よった悪魔は言葉をつづけて、 「しかしただ頭で働くのはよういじゃない。おれの手に硬いところがないと言ってお前たちはおれに食物をあて...

2020-04-25

イワンの馬鹿(56/61)

(524字。目安の読了時間:2分)  年よった悪魔はテイブルにつきました。 すると唖娘は、早速その手を捉えて、調べにかかりました。 ところが手にはちっとも硬いところがありません。 すべすべしていて、爪が長く延びていました。 唖娘は唸りながら、悪魔をテイブルから引きはなしました。 するとイワンのおよめさんが言いました。 「悪く思わないで下さい。あれはごつごつした手...

2020-04-24

イワンの馬鹿(55/61)

(537字。目安の読了時間:2分) ただ誰にでも金貨をくれます。世間じゃはじめのうちはあの人の欲しがるものをくれてやったが、金貨がたくさんになったので、今じゃ誰もあの人にくれてやるものがありません。どうしたもんでしょう、あのままじゃ餓え死んでしまいます。」  イワンはじっと聞いていました。 そして、 「いいとも、いいとも。そりゃ、みんなで養ってやるがいい。牧羊者のように一軒...

2020-04-23

イワンの馬鹿(54/61)

(494字。目安の読了時間:1分) と言います。  しかし、年よった悪魔は、金より他には何一つ持っていませんでした。 働くことはかれ大へんきらいなことだし、「キリスト様の御名によって」物を貰うことなどかれにはどうしたって出来ないことでした。 年よった悪魔はひどく腹をたててしまいました。 「おれが金をやると言うのに、それより他の何が欲しいと言うんだ。金さえありゃ何だって買...

2020-04-22

イワンの馬鹿(53/61)

(523字。目安の読了時間:2分) 「私の家にゃそれを持って遊ぶような子供はいないし、それにいいもんだと思ってもう三枚もしまってありますからな。」 と言ってことわりました。  かれは今度は百姓家へ行って、パンと取っかえようとしました。 けれどもやはり受取ろうとはしません。 「そりゃいらない。だが、お前さんが『キリスト様の御名によって』とおっしゃるなら、ちょっと待ちなされ...

2020-04-21

イワンの馬鹿(52/61)

(554字。目安の読了時間:2分) そして後には子供たちが、往来のまん中で、玩具にして遊びはじめました。 誰もかも金貨をたくさん貰って持っていました。 そこでもう貰おうとするものはなくなりました。 けれども立派な紳士の家は、半分も出来てはいないし、その年入用の穀物や牛などの用意も出来ていませんでした。 そこで働きに来てもらいたいことだの、穀物や牛などを買いたいことだのを...

2020-04-20

イワンの馬鹿(51/61)

(515字。目安の読了時間:2分) そのやり方は私が教え、おれいは金貨で払ってやる。」  そう言ってかれは金貨をみんなに見せました。 馬鹿な人民たちはびっくりしました。 かれらの間には、これまで金と言うものがありませんでした。 かれらは品物と品物を取かえ合ったり、仕事は仕事でかんじょうし合っていたのでした。 そこでみんなは、金貨を見て驚きました。 「まあ、何て重...

2020-04-19

イワンの馬鹿(50/61)

(505字。目安の読了時間:2分) この上進むことが出来なくなりました。 それで、もういうことをきかず、思い思いに逃げ出して行ってしまいました。         一二  年よった悪魔はこの手段を止す外ありませんでした。 兵隊を使ったんじゃ、とてもイワンを取っちめることは出来ませんでした。 そこで今度は姿をかえて、立派な紳士に化けて、イワンの国に住みこみました。 ...

2020-04-18

イワンの馬鹿(49/61)

(516字。目安の読了時間:2分)  兵隊たちはがっかりしてしまいました。 そして、タラカン王のところへ行って言いました。 「この国では戦が出来ません。どこか他の国へつれて行って下さい。戦はしますがこりゃ一たい何ごとです。まるで豆のスープを切るようなものです。私たちはもうこの国で戦をするのはまっぴらです。」  タラカン王は、かんかんに怒りました。 そして兵隊たちに、国中...

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