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そして後には子供たちが、往来のまん中で、玩具にして遊びはじめました。
誰もかも金貨をたくさん貰って持っていました。
そこでもう貰おうとするものはなくなりました。
けれども立派な紳士の家は、半分も出来てはいないし、その年入用の穀物や牛などの用意も出来ていませんでした。
そこで働きに来てもらいたいことだの、穀物や牛などを買いたいことだのを知らせて、もっとたくさんの金貨をやることにしました。
しかし、働く人も、品物を持って来る人もありませんでした。
時たま男の子や女の子たちが走って来て、卵と金貨を取っかえてもらうくらいでした。
他には誰も来なかったので、紳士は食物一つありませんでした。
そこでれいの紳士は、空腹を抱えて何か食べるものを買おうと村へ行って、ある家に入りました。
そして、鳥を一羽売ってもらおうと思って金貨を一枚出しましたが、そこのおかみさんは、どうしてもそれを受取りませんでした。
「私ゃたくさん持っています。」
と言いました。
今度は鰊(にしん)を買おうと思って、寡婦さんのところへ行って金貨を出すと、
「もうたくさんです。」
と言いました、。
「私の家にゃそれを持って遊ぶような子供はいないし、それにいいもんだと思ってもう三枚もしまってありますからな。」
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