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僕はなんだか訳がわかりませんでした。 学校に行ったらみんなが遠くの方から僕を見て「見ろ泥棒の※(うそ)つきの日本人が来た」とでも悪口をいうだろうと思っていたのにこんな風にされると気味が悪い程でした。 二人の足音を聞きつけてか、先生はジムがノックしない前に、戸を開けて下さいました。 二人は部屋の中に這入りました。 「ジム、あなたはいい子、よく私の言ったことがわかってくれましたね。ジムはもうあなたからあやまって貰(もら)わなくってもいいと言っています。二人は今からいいお友達になればそれでいいんです。二人とも上手に握手をなさい。」と先生はにこにこしながら僕達を向い合せました。 僕はでもあんまり勝手過ぎるようでもじもじしていますと、ジムはいそいそとぶら下げている僕の手を引張り出して堅く握ってくれました。 僕はもうなんといってこの嬉(うれ)しさを表せばいいのか分らないで、唯恥しく笑う外ありませんでした。 ジムも気持よさそうに、笑顔をしていました。 先生はにこにこしながら僕に、
「昨日の葡萄(ぶどう)はおいしかったの。」
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