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僕はいつものように海岸通りを、海を眺めたり船を眺めたりしながらつまらなく家に帰りました。 そして葡萄をおいしく喰べてしまいました。 けれども次の日が来ると僕は中々学校に行く気にはなれませんでした。 お腹が痛くなればいいと思ったり、頭痛がすればいいと思ったりしたけれども、その日に限って虫歯一本痛みもしないのです。 仕方なしにいやいやながら家は出ましたが、ぶらぶらと考えながら歩きました。 どうしても学校の門を這入ることは出来ないように思われたのです。 けれども先生の別れの時の言葉を思い出すと、僕は先生の顔だけはなんといっても見たくてしかたがありませんでした。 僕が行かなかったら先生は屹度悲しく思われるに違いない。 もう一度先生のやさしい眼で見られたい。 ただその一事があるばかりで僕は学校の門をくぐりました。 そうしたらどうでしょう、先ず第一に待ち切っていたようにジムが飛んで来て、僕の手を握ってくれました。 そして昨日のことなんか忘れてしまったように、親切に僕の手をひいてどぎまぎしている僕を先生の部屋に連れて行くのです。 僕はなんだか訳がわかりませんでした。
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