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ジューリアの君よ、きみ想ふ、 わが許へ 君來まさば、 白銀のみあし われ迎へて、 心のたけを 君にそそがん。
この歌は殊更に、美しいジューリアのために歌はれたものかも知れないし、或ひはさうでないかも知れなかつたが、彼の舞踏の相手はさういふ名であつた。 併し、彼女は確に、そんな意味の含まれてゐることは知らなかつたしるしに、一度も歌手を見ず床の上に瞳を落したままであつた。 なるほど、彼女の顏は美しく紅潮し、その胸は優しく波打つてゐたが、併しそれはみな疑もなく舞踏で身體を動かしたためであつた。 實際、彼女はいかにも無關心で、室咲きの美しい花束をむしつて興を遣り、歌が終つた時には花束は見る影もなく床の上に散らばつてゐた。
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