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すると老主人は之に故障を申出でて、クリスマス・イーヴにはわが榮(はえ)あるイギリスのものの外はいけないといましめた。 それを聞くと此の若い吟詠詩人は、しばし瞳を上げて記憶を辿るやうな樣子をしてゐたが別の曲を奏で始めた、そして慇懃な魅惑を含んだ姿態で、ヘリックの『ジューリアに贈る小夜曲』を歌ひ出たのであつた。
螢の眼 君もちて、 流るる星の從はば、 小人のむれも 小さき目ひからし 火花と照りて、君をまもらん。
君をあざむく 鬼火 なく、 蛇、くちなはも あだはせじ、 君行く路は やすらかに 怪性のものも 君をあやめじ。
夜のくらやみも さはる なく、 月の光は まどろむも、 星の かづ かづ 光を わかち、 燭の火の 數かぎりなし。
ジューリアの君よ、きみ想ふ、 わが許へ 君來まさば、 白銀のみあし われ迎へて、 心のたけを 君にそそがん。
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