(395字。目安の読了時間:1分)
お孃さんは自分のお母樣が怖い顏をして向ひ側でたしなめてゐるのを知つてゐても笑ひがとまらなかつたのである。 實際、彼は一座のうちの若い人たちにとつて人氣の的で、彼等は此の人の云ふこと爲すこと、その一つ一つの顏附にもどつと笑ひ轉(こ)けるのであつた。 それもその筈で、彼等の目にはこれが奇蹟とも云へるほど百藝に長じた人と映つたに違ひないのである。 彼はパンチとジューデイの人形芝居の眞似が出來た。 自分の片手でお婆さんを拵へることができた、これには燒けたコルク栓とポケット用ハンケチとを利用した。 オレンヂをおどけた恰好に切つて、若い連中を抱腹絶倒させることが出來た。 わたしはざつとではあるが此の人物の身の上話をフランク・ブレイスブリッジから聞かされた。 彼はいつまでも獨身でゐて、僅かながらも自活できるほどの收入があり、それを心がけて遣へば不自由なしに暮してゆけるのだつた。
========================= ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! https://bit.ly/33hMHlR
■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv ■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.com ■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/001257/files/56033_50983.html ■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail ■月末まで一時的に配信を停止: https://forms.gle/d2gZZBtbeAEdXySW9
配信元: ブンゴウメール編集部 NOT SO BAD, LLC. Web: https://bungomail.com 配信停止:[unsubscribe]