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午後南明倶楽部古本売立会に赴く。 姿記評林購ひたしと思ひしが五拾円といふ高価に辟易して止む。 帰途風吹出でゝ俄に寒し。 家に帰り案頭の寒暑計を見るに華氏六十度なり。 十月廿六日。 安田平安居浜野茂の二氏に招がれて三十間堀の蜂龍に飲む。 この日寒気厳冬の如し。 綿入小袖を着る。 十月廿七日。 雨。 清元会に徃く。 久振にて菊五郎に逢ふ。 十月廿八日。 竜胆の花開きて菊花の時節来る。 十月廿九日。 唖々子と日本橋に飲む。 花月第七号発行。 十月三十日。 ※天。 晩来小雨。 十月卅一日。 晴れて暖なり。 竹田書房主人来る。 午後唖※子来る。 庭上再び虫語を聞く。 十一月朔。 築地三丁目に手頃の売家ありと聞き、早朝徃きて見る。 桜木の近鄰なり。 立寄りて寿美子を招ぎ昼餉を食して家に帰る。 十一月二日。 午後唖※子来談。 雑誌花月今日まで売行さして悪しからざる様子なりしが京橋堂精算の結果毎月弐拾円程損失の由。 依つて十二月号を限りとして以後廃刊することに决す。 雨烈しく降り出で夜もふけたれば後始末の相談は他日に譲り、唖※子車にて帰る。 十一月三日。 建物会社より通知あり。 この度は築地二丁目の売家を見る。 南風吹きて暖なり。 十一月四日。 ※。 石榴の実熟す。 楓葉少しく霜に染む。 十一月五日。 雨。 モレアスのヱスキス、エ、スーブニルを取出して再読す。 この書近世仏蘭西抒情詩家の随筆中、余の最も愛読して措かざるものなり。
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