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新冨町の妓両三人を携へて新冨座を見る。 十月十五日。 築地けいこの帰途春日に立寄り三笑庵に赴く。 服部歌舟子に招がれしなり。 席上始めて市川三升に逢ふ。 その面立何となく泉鏡花氏に似たり。 此日雨。 十月十六日。 雨歇まず。 油絵師有元馨寧といふ人馬塲孤蝶氏の紹介状を示して面会を請はる。 画会を催す由なり。 燈下禾原先先生渡洋日誌を写す。 十月十七日。 十三夜なり。 宵のほど月を見しが須臾にして雲に蔽はる。 十月十九日。 晴。 呉服橋外建物会社に赴き社員永井喜平に面会して売宅の事を依頼す。 帰途唖々子と清水に飲む。 銀座を歩み赤阪鳴門に憩ひまた一酌す。 花月第七号校正。 十月二十日。 土蔵の雑具を取片づく。 明治十二三年頃の錦絵帖。 先考揮毫扇面十余。 暁斎玉章扇面等を発見したり。 此日中村吉右衛門鎌倉の別墅に清元梅吉夫婦、野間翁及余を招ぐ。 余宿痾あり汽車の動揺病によからざるを以て辞して行かず。 晩間唖※子来訪。 十月廿一日。 終日机に対す。 花月第七号校正。 十月廿二日。 酒井好古堂を訪ひ芳年の錦絵数種を購ふ。 日本橋やまとにて昼飯を食し夕刻三田文学会に徃く。 帰途三十間堀春日に少憩し車を命じて家に帰る。 十月廿三日。 微雨午に至つて霽る。 築地桜木に徃き妓寿美に逢ふ。 月明にして新寒脉脉たり。 愁情禁じ難し。 十月廿四日。 春陽堂店員来談。 十月廿五日。 午後南明倶楽部古本売立会に赴く。
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