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新橋妓史をつくらむとて其資料を閲読す。 堀口氏詩集月光とピヱロの序を草す。 九月廿五日。 晴。 唖※子来訪。 夜座右の火鉢にて林檎を煮る。 電燈明滅すること数次なり。 九月廿六日。 晴。 葉※頭の種を摘む。 萩の花散りつくしぬ。 九月廿七日。 秋雨。 梅吉宅けいこの帰り、築地の桜木に立寄り、新富町の妓両三名を招ぎ哥沢節をさらふ。 九月廿九日。 暗雲天を蔽ひ雨屡来る。 終日門を出です。 執筆夜分に至る。 花月第六号発行。 十月一日。 築地けいこの帰り桜木に飲む。 新冨町の老妓両三名を招ぎ、新島原徃時の事を聞かむと思ひしが、さしたる話もなし。 一妓寿美子といへるもの年紀廿一二。 容姿人を悩殺す。 秋霖霏々として歇まざるを幸ひにして遂に一宿す。 十月二日。 雨歇む。 久しく見ざりし築地の朝景色に興を催し、漫歩木挽町を過ぎて家に帰る。 ※時唖々子来談。 十月三日。 鳥辺山けいこ漸く進む。 桜木に立寄り、全集第二巻の校正をなし、妓寿美子を招ぎ晩餐を倶にし薄暮家に帰る。 禾原先生渡洋日誌を写して夜半に至る。 盖花月第七号誌上に掲載せんがためなり。 十月四日。 微雨。 夜松莚子を訪ふ。 十月五日。 半陰半晴。 午前梅吉方にて稽古をなし、午後常磐木倶楽部諏訪商店浮世絵陳列会に赴き、唖※子の来るを待ち東仲通を歩み、古着問屋丸八にて帯地を購ふ。 浅利河岸を歩み築地に出で桜木に至りて飲む。 唖々子暴飲泥酔例によつて例の如し。
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