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花月第六号前半の編輯を終る。 九月十日。 ※下市ヶ谷辺散歩。 八幡宮の岡に登る。 秋風颯然として面を撲つ。 夕陽燦然たり。 夜外祖父毅堂先生が親燈余影をよむ。 火鉢にて辣薤を煮る。 秋涼漸く自炊によし。 九月十二日。 萩さき乱れ野菊また花開く。 九月十四日。 早朝清元けいこの帰途、三十間堀春日に立寄り、薗八節さらはむとて老妓延園を招ぎしが来らず。 直に帰宅す。 今日新橋の教坊にて薗八節三味線を善くするもの延園、りき、ゆふの三老妓のみなりと云。 九月十五日。 朝寒し。 障子をしめ火鉢に火を置く。 九月十六日。 朝夕の寒さ身に沁むばかりなり。 されど去年に比すれば健康なり。 何のかのといふ中また一年生きのびたれどさして嬉しくもなし。 九月十七日。 早朝築地に赴き薗八清元のけいこをなす。 午下帰宅。 旧稿を整理す。 二更寝に就かむとする時花月第六号校正摺来る。 九月十八日。 風雨。 九月十九日。 雨晴れしが風未歇まず。 残暑再び燬くが如し。 日暮風歇みて一天雲翳なし。 仲秋の明月鏡の如し。 虫の音日中の暑さにいつもより稠くなりぬ。 九月二十日。 木槿花開く。 九月二十一日。 東京新繁昌記の類を一覧す。 盖し雑誌花月編輯のためなり。 九月廿二日。 雨ふりて俄に寒し。 セルの単衣に襦袢を重ねてきる。 九月廿四日。 風雨終日歇まず。 新橋妓史をつくらむとて其資料を閲読す。
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