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然る処いろ/\面倒なる事のみ起来りて煩しければ暇をやり、良き縁もあらば片づきて身を全うせよと言聞かせ置きしが、矢張浮きたる家業の外さしあたり身の振方つかざりしと見ゆ。 三月廿七日。 母上訪来らる。 三月廿八日。 風邪全癒。 園中を逍遥す。 春草茸※。 水仙瑞香連翹尽く花ひらく。 春蘭の花香しく桃花灼然たり。 芍薬の芽地を※[#「抜」の「友」に代えて「丿/友」、U+39DE、26-7]くこと二三寸なり。 四月朔。 唖※子及び新福亭主人と胥議して雑誌花月の発行を企つ。 四月二日。 雑誌花月の表紙下絵を描く。 四月三日。 腕くらべ五百部ほど売れたりとて新橋堂より金四百円送り来る。 四月四日。 半※半晴。 桜花将に開かむとす。 四月九日。 花月第一号草稾大半執筆し得たり。 四月十日。 雨烈しく風寒し。 築地けいこの帰途新福に立寄り、主人と雑誌花月の用談をなす。 四月十二日。 八重次と新福亭に会す。 夜木挽町田川に徃き浦里を語る。 三味線は延園なり。 四月十三日。 微雨薄寒。 唖※子新福主人来りて花月第一号の編輯を畢る。 四月十四日。 風気順ならず。 四月十五日。 暴に暖なり。 袷に着かへたき程なり。 四月十六日。 支那産藍菊の根分をなす。 白粉花鳳仙コスモスの種を蒔く。 午後富士見町の妓家に徃く。 靖国神社の桜花半落ちたり。 四月十七日。 松莚子宅にて玄文社懸賞脚本の選評をなす。 四月二十日。 服部歌舟に招がれ采女町三笑庵に徃く。 円右、小さん、喜久太夫、山彦師匠、各得意の技をなす。
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