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2020-11-03

断腸亭日乗(3/30)

(648字。目安の読了時間:2分)

蝋梅二株ある中其の一株去年より勢なく花をつくる事少くなりたれば今より枯れぬ用心するなり。 此日いかなる故にや鵯群をなして庭に来り終日啼き※[#「口+斗」、U+544C、21-10]びぬ。 正月十四日。 西北の風烈しく庭樹の鳴り動く声潮の寄来るに似たり。 正月十五日。 歯痛未止まず。 苦痛を忘れむとて市中両国辺を散歩す。 夜唖々子来訪。 正月十六日。 毎夜月あきらかなり。 厠の窗より夜の庭を窺見るに霜を浴びたる落葉銀鱗の如く月色氷の如し。 寒気骨に徹す。 正月十七日。 築地に清元梅吉を訪ひ帰途新福亭に立寄る。 亭主風労にて打臥しゐたり。 正月十八日。 花月主人書肆新橋堂主人とは相識の由。 新福のはなしにより花月主人を介して同書店に赴き主人に面晤し、拙著腕くらべ一千部の販売方を委托す。 正月二十日。 堀口大学来訪。 其著昨日の花の序を請はる。 正月廿一日。 松莚子の書柬を得たり。 正月廿三日。 朝まだきより小雪ちら/\と降りそめしが昼過ぎて歇む。 寒気甚し。 夜堀口氏詩集の序を草す。 正月廿四日。 鴎外先生の書に接す。 先生宮内省に入り帝室博物館長に任ぜられてより而後全く文筆に遠ざかるべしとのことなり。 何とも知れず悲しき心地して堪えがたし。 正月廿五日。 夜松莚君来訪。 正月廿七日。 田舎の人より短冊を請はれ已むことを得ず揮毫すること四五葉なり。 余両三年来折々沢田東江の書帖を臨写すれど今に至つて甚悪筆なり。

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