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彼はおだやかにクリストフを眺め、その不機嫌な顔を見て、微笑んでいった。
「何かほかに作ったのがあるかい? 今のより外のものの方が、おれの気にいるかも知れない。」
クリストフはほかの歌が小父の感じをかえてくれるかも知れないと思って、あるだけ歌った。
ゴットフリートは何ともいわなかった。
彼はおしまいになるのを待っていた。
それから頭を振って、ふかい自信のある調子でいった。
「なおまずい。」
クリストフは唇をかみしめた。
顎がふるえていた。
彼は泣きたかった。
ゴットフリートは自分でもまごついてるようにいいはった。
「実にまずい。」
クリストフは涙声で叫んだ。
「では、どうしてまずいというんだい?」
ゴットフリートはあからさまの眼つきで彼を眺めた。
「どうしてって……おれにはわからない……お待ちよ……じっさいまずい……第一、ばかげているから……そうだ、その通りだ……ばかげている、何の意味もない……そこだ。それを書いた時、お前は何も書きたいことがなかったんだ。なぜそんなものを書いたんだい?」
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