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ゴットフリートはゆっくり煙草をすい、クリストフは夕闇が怖くて、小父に手をひかれていた。
彼等はよく草の上に坐(すわ)った。
ゴットフリートはしばらく黙ってたあとで、星や雲の話をしてくれた。
土や空気や水のいぶき、または闇の中にうごめいてる、飛んだりはったり泳いだりしている小さな生物の、歌や叫びや音、または晴天や雨の前兆、または夜の交響曲の数えきれないほどの楽器など、それらのものを一々聞きわけることを教えてくれた。
時とすると、歌もうたってくれた。
悲しい節の時も楽しい節の時もあったが、しかしいつも同じような種類のものだった。
そしてクリストフはいつも同じ切なさを感じた。
ゴットフリートは一晩に一つきり歌わなかった。
頼んでも気持よく歌ってはくれないことを、クリストフは知っていた。
歌いたい時に自然に出てくるのでなくてはだめだった。
長い間待っていなければならないことが多かった。
※もう今夜は歌わないんだな……※とクリストフが思ってる頃、やっと小父は歌い出すのだった。
ある晩、ゴットフリートがどうしても歌ってくれそうもなかった時、クリストフは自分が作った小曲を一つ彼に聞かしてやろうと思いついた。
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