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年よった悪魔はまた次の日も一日塔の上に立っていましたが、そろそろ弱って来て、前へつんのめったかと思うと、あかり取りの窓の側の、一本の柱へ頭を打っつけました。
それを人民の一人が見つけて、イワンのおよめさんに知らせました。
するとイワンのおよめさんは、野良に出ているイワンのところへ、かけつけました。
「来てごらんなさい。あの紳士が頭で仕事をやりはじめたそうですから。」
とイワンのおよめさんは言いました。
「ほう? そりゃほんとかな。」
とイワンは言って、馬を向け直して、塔へ行きました。
ところがイワンが塔へ行きつくまでに、年よった悪魔はお腹が空いたのですっかり元気はなくなり、ひょろひょろしながら、頭を柱に打ちつけていました。
そしてイワンが塔へちょうどついた時、年よった悪魔はつまずいてころぶと、ごろごろと階段をころんで、その一つ一つに頭をゴツンゴツンと打ちつけながら、地べたへ落ちて来ました。
「ほう? やっぱりほんとだったな、人間の頭がさけると言ったのは。でも、こりゃ水腫どころじゃない。こんな仕事じゃ、頭はコブだらけになってしまうだろう。」
とイワンは言いました。
年よった悪魔は階段の一ばん下のところで一つとんぼがえりをして、そのまま地べたへ頭を突っ込みました。
イワンはかれがどのくらい仕事をしたか見に行こうとしました。
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