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タラスはイワンに、こう言いました。
「お前はどこから金貨を手に入れたのだね。資本さえありゃ、おれは世界中の金をみんな手に入れることが出来るんだがな。」
イワンはおどろきました。
そして言いました。
「そりゃ本当かね。なら、もっと早くわしに言ってくれればよかった。わしはお前さんの好きなだけこさえてあげることが出来たに。」
タラスは喜びました。
「じゃ、手桶に三ばいだけおくれ。」
「いいとも、いいとも。じゃ森の中へ来なさるがいい。いや、待ちなさい、いいことがある。馬をつれて行こう。とてもお前さんだけじゃ持って来られそうにもないからな。」
そこで二人は馬をつれて森へ行きました。
イワンは樫の葉をもんで、たくさん金貨をこさえました。
「さあ、これでいいかね。」
タラスはすっかり喜びました。
「さしあたってそれだけありゃたくさんだ。イワンよ、ありがとう。」
とタラスは言いました。
「なあにまた入るときには来なさるがいい。葉っぱはどっさり残っているからな。」
とイワンは言いました。
タラスは馬車一台に金貨をつみ込んで、商売をしに出かけました。
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