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イワンは馬に草をやると、用意して妹と一しょに、ライ麦を運びにやって来ました。
やがて麦束を積みはじめました。
二束ほど車に投げ込んで、三束目を上げようとして熊手をつき込むと、その尖(さき)が、小悪魔の背中へ、突き刺さりました。
熊手をふり上げてみると、その尖にはしっぽの切れた小悪魔が、のがれようとして、しきりに身をもがいて、のたくっています。
「おやおや、また出て来やがった。」
「いや、ちがうんです。先来たのは私の兄弟です。私はあなたの兄さんのシモンについていたんです。」
と小悪魔は言いました。
「ふん、どいつだってかまやしない。お前も同じ目にあわしてやるのだ。」
イワンは小悪魔を荷車へたたきつけようとしました。
小悪魔は叫びました。
「ま、待って下さい。二度とあなたの邪魔はいたしません。あなたの言いなりに何でもいたします。」
「じゃ、何が出来る。」
「何でもあなたのお好きなものから兵隊をこしらえることが出来ます。」
「兵隊は一たい何の役に立つのだ。」
「何の役にだってたちます。あなたが命令を下しさえすればどんなことでもします。」
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