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シモンはイワンを見ると、こう言いました。
「おれはお前と一しょに暮すつもりでやって来たんだが、おれの主人が見つかるまでおれと家内をやしなってくれ。」
「いいとも、いいとも。」
とイワンは言いました。
「どうぞいなさるがいい。」
ところがイワンが長椅子へ腰を下そうとすると、シモンのお嫁さんがその着物の臭いのを嫌って、シモンに、
「私はこんな汚い百姓と一しょに御飯をたべるのはいやです。」
と言いました。
そこでシモンは、
「お前の着物が大へん臭いので家内がいやだというのだよ。お前外へ行って飯を食ったらいいだろう。」
と言いました。
「いいとも、いいとも。」
とイワンは言いました。
「どうせ私は馬の飼葉の世話をせにゃならんから、外へ行こう。」
そうしてイワンは少しのパンと外套を持って牝馬をつれて野原へ行きました。
四
シモン係の小悪魔は、その晩すっかり自分の仕事をおえて、約束通りイワン係の小悪魔をたすけて、馬鹿をへこましてやるつもりで畑へやって来ました。
彼はそこらあたりをさがし廻りましたが、仲間のすがたはみえないで、ただ一つ小さな穴を見つけました。
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