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とイワンは考えました。
「木の根っこなんて一つもなかったのに、さてはやはりあったんだな。」
イワンは片手を畝へ突っ込んで、探りました。
すると、何かやわらかいものにふれたので、それを引っ掴んで出しました。
見るとそれは木の根のようにまっ黒で、しかも、のたくり廻っているのでした。
それはまぎれもなく、例の小悪魔でした。
「なんて汚えもんだ。」
イワンはそう言って、鋤にぶっつけようとして、それをふり上げました。
すると小悪魔は苦しがって声をたてながら、言いました。
「どうかひどくしないで下さい。そのかわり何でもあなたの言いなり次第にいたします。」
「手前何が出来る。」
「あなたの言いなりに何でも。」
イワンは頭をかいて考えました。
そして言いました。
「おりゃ腹が痛い。どうだ、なおせるか。」
「はい、なおせますとも。」
「よし、じゃなおしてくれ。」
小悪魔はすぐ畝の中へ這い込んで、しばらく爪で引っかいてさがし廻っていましたが、やがて、三本根の出た木の根を引っこぬいて来て、イワンに渡しました。
そして、
「この根を一本だけお上りなさい。
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