(551字。目安の読了時間:2分)
あいつのよくはいよいよひどくなって行って、何でも見るものごとに買いたくなるように仕向けてやった。それであいつはあり金をすっかりつかってしまい、なおさかんに買い込んでいる。もう大へん借金して買っている。一週間たつとかんじょうの日が来るが、その前に、おれはあいつの買い込んだ品物を、すっかりだいなしにしてやるんだ。するとあいつは支払が出来なくなって、親爺のところへくるだろう。」
「ところで、お前の方はどうだ。」
と二人の悪魔は第三の悪魔(イワンの係)に聞きました。
「そうだな。」
と第三の悪魔は元気なく言いました。
「おれの方はどうもうまく行かない。
まずおれはあいつに、腹痛を起させてやろうと思ってあいつのお茶の中に、唾を吐き込んでやった。
それからあいつの畑を、石のようにかんかんに固めて鋤(す)き返しが出来ないようにしておいた。
そして、あいつはとても鋤きに出て来やしないだろうと思っていた。
ところがあいつはとてつもない馬鹿で鋤を持って来て鋤きはじめた。
あいつは腹が痛いので、うんうん唸りながら、それでも仕事は止めない。
そこでおれはあいつの鋤を破してやった。
ところがあいつは家へ行って別のを持って来てまた鋤きはじめた。
おれは地面へもぐり込んでその鋤先を捉えた。
\=========================
ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう!
http://bit.ly/2Tj8Zhl
■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv
■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.com
■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/000361/files/42941_15672.html
■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail
■月末まで一時的に配信を停止: https://forms.gle/d2gZZBtbeAEdXySW9
-------
配信元: ブンゴウメール編集部
NOT SO BAD, LLC.
Web: https://bungomail.com
配信停止:https://goo.gl/forms/kVz3fE9HdDq5iuA03