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うとうとあそばすと、すぐ済んでしまいます」
このとき夫人の眉は動き、口は曲みて、瞬間苦痛に堪えざるごとくなりし。
半ば目を※(みは)きて、
「そんなに強いるなら仕方がない。私はね、心に一つ秘密がある。痲酔剤は譫言を謂(い)うと申すから、それがこわくってなりません。どうぞもう、眠らずにお療治ができないようなら、もうもう快らんでもいい、よしてください」
聞くがごとくんば、伯爵夫人は、意中の秘密を夢現の間に人に呟(つぶや)かんことを恐れて、死をもてこれを守ろうとするなり。
良人たる者がこれを聞ける胸中いかん。
この言をしてもし平生にあらしめば必ず一条の紛紜を惹(ひ)き起こすに相違なきも、病者に対して看護の地位に立てる者はなんらのこともこれを不問に帰せざるべからず。
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