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俺にはその美しさがなにか信じられないもののような気がした。
俺は反対に不安になり、憂鬱になり、空虚な気持になった。
しかし、俺はいまやっとわかった。
おまえ、この爛漫と咲き乱れている桜の樹の下へ、一つ一つ屍体が埋まっていると想像してみるがいい。
何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。
馬のような屍体、犬猫のような屍体、そして人間のような屍体、屍体はみな腐爛して蛆(うじ)が湧き、堪らなく臭い。
それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。
桜の根は貪婪な蛸(たこ)のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚(あつ)めて、その液体を吸っている。
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