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見わたすと、その檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。
私は埃(ほこり)っぽい丸善の中の空気が、その檸檬の周囲だけ変に緊張しているような気がした。
私はしばらくそれを眺めていた。
不意に第二のアイディアが起こった。
その奇妙なたくらみはむしろ私をぎょっとさせた。
――それをそのままにしておいて私は、なに喰(く)わぬ顔をして外へ出る。
――
私は変にくすぐったい気持がした。
「出て行こうかなあ。そうだ出て行こう」そして私はすたすた出て行った。
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