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私は告白するのが恥ずかしいくらいだが――そうだ、この重罪人の監房のなかにあってさえも、告白するのが恥ずかしいくらいだが――その動物が私の心に起させた恐怖の念は、実にくだらない一つの妄想のために強められていたのであった。
その猫と前に殺した猫との唯一の眼に見える違いといえば、さっき話したあの白い毛の斑点なのだが、妻はその斑点のことで何度か私に注意していた。
この斑点は、大きくはあったが、もとはたいへんぼんやりした形であったということを、読者は記憶せられるであろう。
ところが、だんだんに――ほとんど眼につかないほどにゆっくりと、そして、長いあいだ私の理性はそれを気の迷いだとして否定しようとあせっていたのだが――それが、とうとう、まったくきっぱりした輪郭となった。
それはいまや私が名を言うも身ぶるいするような物の格好になった。
――そして、とりわけこのために、私はその怪物を嫌い、恐れ、できるなら思いきってやっつけてしまいたいと思ったのであるが、――それはいまや、恐ろしい――もの凄い物の――絞首台の――形になったのだ!
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