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プルートォは体のどこにも白い毛が一本もなかったが、この猫は、胸のところがほとんど一面に、ぼんやりした形ではあるが、大きな、白い斑点で蔽われているのだ。
私がさわると、その猫はすぐに立ち上がり、さかんにごろごろ咽喉を鳴らし、私の手に体をすりつけ、私が目をつけてやったのを喜んでいるようだった。
これこそ私の探している猫だった。
私はすぐにそこの主人にそれを買いたいと言い出した。
が主人はその猫を自分のものだとは言わず、――ちっとも知らないし――いままでに見たこともないと言うのだった。
私は愛撫をつづけていたが、家へ帰りかけようとすると、その動物はついて来たいような様子を見せた。
で、ついて来るままにさせ、歩いて行く途中でおりおりかがんで軽く手で叩いてやった。
家へ着くと、すぐに居ついてしまい、すぐ妻の非常なお気に入りになった。
私はというと、間もなくその猫に対する嫌悪の情が心のなかに湧き起るのに気がついた。
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