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2019-08-05

オツベルと象(5/10) - ブンゴウメール

ブンゴウメール

(591字。目安の読了時間:2分)

 次の日、ブリキの大きな時計と、やくざな紙の靴とはやぶけ、象は鎖と分銅だけで、大よろこびであるいて居った。

「済まないが税金も高いから、今日はすこうし、川から水を汲んでくれ。」オツベルは両手をうしろで組んで、顔をしかめて象に云う。

「ああ、ぼく水を汲んで来よう。もう何ばいでも汲んでやるよ。」

 象は眼を細くしてよろこんで、そのひるすぎに五十だけ、川から水を汲んで来た。

そして菜っ葉の畑にかけた。

 夕方象は小屋に居て、十把の藁をたべながら、西の三日の月を見て、

「ああ、稼ぐのは愉快だねえ、さっぱりするねえ」と云っていた。

「済まないが税金がまたあがる。今日は少うし森から、たきぎを運んでくれ」オツベルは房のついた赤い帽子をかぶり、両手をかくしにつっ込んで、次の日象にそう言った。

「ああ、ぼくたきぎを持って来よう。いい天気だねえ。ぼくはぜんたい森へ行くのは大すきなんだ」象はわらってこう言った。

 オツベルは少しぎょっとして、パイプを手からあぶなく落としそうにしたがもうあのときは、象がいかにも愉快なふうで、ゆっくりあるきだしたので、また安心してパイプをくわえ、小さな咳を一つして、百姓どもの仕事の方を見に行った。

 そのひるすぎの半日に、象は九百把たきぎを運び、眼を細くしてよろこんだ。

 晩方象は小屋に居て、八把の藁をたべながら、西の四日の月を見て

「ああ、せいせいした。

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