ブンゴウメール
(522字。目安の読了時間:2分)
地面の中にもぐっていて、青空が見えるはずがない」
正吉は、うっかり思いまちがいしていたことに気がついて、顔があかくなった。
しかし、それほどほんものの秋空に見えるのだった。
区長は、正吉を、りっぱな本屋につれこんだ。
奥は住宅になっていた。
いわゆるアパートメント式の住宅であった。
そのうちの一軒の前に立った区長は、扉をこつこつと叩いた。
すると中から返事があった。
女の声だった。
「あっ、あの声は……」
扉が内にひらいた。
家の中から顔を出した白髪頭の老女があった。
「まあ、これは区長さん。それにサクラ先生に……」
「今日はめずらしい客人をお連れしました。ここにおられる少年に見おぼえがありますか」
区長にいわれて、老女は正吉を見た。
「まあ、正吉ではありませんか。うちの正吉だ。まあまあ、正吉、お前はどうして……」
老女は、正吉の母親であったのだ。
「お母さん」
正吉と母親とは抱きあってうれしなみだにくれました。
「お母さん、よく長生きをしていてくれましたね」
「正吉や。お母さんは一度心臓病で死にかけたんだけれど、人工心臓をつけていただいてこのとおり丈夫になったんですよ」
「人工心臓ですって」
「見えるでしょう。
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