ブンゴウメール
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五トンぐらいのものがらくにもちあがるヘリコプター(竹とんぼ式飛行機)を一台至急ここまでまわしてくれるように、航空商会の千代田支店に頼んだ。
二十分ほどすると、空から一台のヘリコプターがゆうゆうと下りて来た。
頼んだのりものであった。
カンノ博士たちは、ハンカチーフをふった。
着陸したヘリコプターの貨物庫の中に、金属球を入れた。
それから博士たちは客席へ入った。
ヘリコプターは間もなく離陸して、東京へ向った。
とちゅう相談の結果、拾った金属球はヤク大学の生理学部の大講堂へ持込み、そこで開くことにきめた。
カンノ博士は、その学部の教授だった。
他の三人は博士の友人だったが、婦人は通信技術者、男の一人は音楽家、もう一人は小説家だった。
いよいよ金属球を開く日が来た。
大講堂は大入満員だった。
ここは階段式になっていて、まわりの座席は高く、演壇はまん中にあって、どこよりも低く、そこへあがるには地下道からしなければならなかった。
問題の金属球は、この演壇の上におかれてあった。
そして周囲には偏光ガラスのついたてがとりまいていた。
これは、中からは外が見えないが、反対に外から中はよく見えるものだった。
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