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2019-01-23

【ブンゴウメール】赤い蝋燭と人魚 (3/11)

(704字。目安の読了時間:2分)

 遥か、彼方には、海岸の小高い山にある神社の燈火がちらちらと波間に見えていました。

ある夜、女の人魚は、子供を産み落すために冷たい暗い波の間を泳いで、陸の方に向って近づいて来ました。

 海岸に小さな町がありました。

町にはいろいろな店がありましたが、お宮のある山の下に小さな蝋燭(ろうそく)を商っている店がありました。

 その家には年よりの夫婦が住んでいました。

お爺さんが蝋燭を造って、お婆さんが店で売っていたのであります。

この町の人や、また附近の漁師がお宮へお詣りをする時に、この店に立寄って蝋燭を買って山へ上りました。

 山の上には、松の木が生えていました。

その中にお宮がありました。

海の方から吹いて来る風が、松の梢に当って、昼も夜もごうごうと鳴っています。

そして、毎晩のように、そのお宮にあがった蝋燭の火影がちらちらと揺めいていますのが、遠い海の上から望まれたのであります。

 ある夜のことでありました。

お婆さんはお爺さんに向って、

「私達がこうして、暮らしているのもみんな神様のお蔭(かげ)だ。このお山にお宮がなかったら、蝋燭が売れない。私共は有がたいと思わなければなりません。そう思ったついでに、お山へ上ってお詣りをして来ます」と、言いました。

「ほんとうに、お前の言うとおりだ。私も毎日、神様を有がたいと心でお礼を申さない日はないが、つい用事にかまけて、たびたびお山へお詣りに行きもしない。いいところへ気が付きなされた。私の分もよくお礼を申して来ておくれ」と、お爺さんは答えました。

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