(338字。目安の読了時間:1分)
伯父様同腹で無きだけを何処までも陳べて、聞かれずば甲斐なしその場で舌かみ切つて死んだなら、命にかへて嘘(うそ)とは思しめすまじ、それほど度胸すわれど奥の間へ行く心は屠処の羊なり。
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お峯が引出したるは唯二枚、残りは十八あるべき筈を、いかにしけん束のまま見えずとて底をかへして振へども甲斐なし、怪しきは落散し紙切れにいつ認めしか受取一通。
(引出しの分も拝借致し候 石之助)
さては放蕩かと人々顔を見合せてお峯が詮議は無かりき、孝の余徳は我れ知らず石之助の罪に成りしか、いやいや知りて序に冠りし罪かも知れず、さらば石之助はお峯が守り本尊なるべし、後の事しりたや。
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底本:「日本現代文學全集 10 樋口一葉集」講談社
1962(昭和37)年11月19日第1刷発行
1969(昭和44)年10月1日第5刷発行
※底本では送りがな、漢字の使い方に不統一がありますが、底本通りにしました。
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:青空文庫
校正:米田進、小林繁雄
1997年10月15日公開
2004年3月18日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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【お知らせ】
12月の『大つごもり』も今日で完結です。難しい文体でしたが最後までお疲れさまでした!
しつこいですが意味が取りにくかった方はぜひ現代語訳もご一読ください。
そしてこれが年内最後のブンゴウメールです。
今年もご愛読ありがとうございました。
新年は明日元旦から通常通り次の作品を配信いたします。
それではみなさま、よいお年を!
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