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2018-11-08

【ブンゴウメール】文字禍 (8/15)

(539字。目安の読了時間:2分)  読み、諳んじ、愛撫するだけではあきたらず、それを愛するの余りに、彼は、ギルガメシュ伝説の最古版の粘土板を噛砕き、水に溶かして飲んでしまったことがある。 文字の精は彼の眼を容赦なく喰い荒し、彼は、ひどい近眼である。 余り眼を近づけて書物ばかり読んでいるので、彼の鷲形の鼻の先は、粘土板と擦れ合って固い胼胝(たこ)が出来ている。 文字の精は、また、彼の脊骨をも蝕(むしば)み、彼は、臍(へそ)に顎のくっつきそうな傴僂(せむし)である。 しかし、彼は、恐らく自分が傴僂であることを知らないであろう。 傴僂という字なら、彼は、五つの異った国の字で書くことが出来るのだが。 ナブ・アヘ・エリバ博士は、この男を、文字の精霊の犠牲者の第一に数えた。 ただ、こうした外観の惨めさにもかかわらず、この老人は、実に――全く羨ましいほど――いつも幸福そうに見える。 これが不審といえば、不審だったが、ナブ・アヘ・エリバは、それも文字の霊の媚薬のごとき奸猾(かんかつ)な魔力のせいと見做した。  たまたまアシュル・バニ・アパル大王が病に罹(かか)られた。 侍医のアラッド・ナナは、この病軽からずと見て、大王のご衣裳を借り、自らこれをまとうて、アッシリヤ王に扮(ふん)した。 ============================================== ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! https://ift.tt/2DpDpt3 ■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv ■ブンゴウメール公式サイト:https://ift.tt/2rbGjJX ■次に読みたい作品を教えてください!:https://ift.tt/2JPPM0l ■青空文庫でこの作品を読む:https://ift.tt/2qljumn ■運営へのご支援はこちら: https://ift.tt/2DtbNTJ メール配信の停止はこちら:https://goo.gl/forms/kVz3fE9HdDq5iuA03 (これより下部のメッセージはすべてシステムによって自動付与されたもので、現在機能しておりません。必ず上記のURLからご解約ください) ============================================== Unsubscribe [email protected] from this list: https://ift.tt/2REde4L

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