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2018-09-23

【ブンゴウメール】風琴と魚の町 (23/30)

(543字。目安の読了時間:2分)  教員室には、二列になって、カナリヤの巣のような小さい本箱が並んでいた。 真中に火鉢があった。 そこに、父と校長が並んでいた。 父は、私の顔を見ると、いんぎんにおじぎをした。 だから、私も、おじぎをしなければならないのだろうと、丁寧に最敬礼をした。 校長は満足気であった。 「教室へ連れて行きましょう」 「ほんなら、私はこれで失礼いたします。何ともハヤ、よろしくお願い申し上げます」  父が門から去ると私は悲しくなった。 校長は背の高い人であった。 私はどこかの学校で覚えた、「七尺下って師の影を踏まず」と、云う言葉を思い出したので、遠くの方から、校長の後へついて行った。 「道草食わずと、早よウ歩かんか!」  校長は振り返って私を叱った。 窓の外のポンプ井戸の水溜りで、何かカロカロ……鳴いていた。  雨戸のような歪(ゆが)んだ扉を開けると、ワアンと子供達の息が私にかかった。 (女子六年 イ組)と、黒板の上に札が下っていた。 私は五年を半分飛ばして六年にあがる事が出来た。 ちょっと不安であった。  9 長い間雨が続いた。  私はだんだん学校へ行く事が厭(いや)になった。 ============================================== ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! https://goo.gl/6ZxJiY ■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv ■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.notsobad.jp ■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404 ■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/000291/files/1814_24391.html ■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail [PR] 新しいタブを開いたときに、美しい暦の言葉を表示してくれるシンプルなChrome拡張「Tab Sekki」 ▼ ▽ ▼ https://goo.gl/sjRzzX ============================================== Unsubscribe *|HTML:EMAIL|* from this list: *|UNSUB|*

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