ブンゴウメール公式ブログ

青空文庫の作品を1ヶ月で読めるように毎日小分けでメール配信してくれるサービス「ブンゴウメール」のブログです

ジャン・クリストフ(9/31)

(481字。目安の読了時間:1分) ジャン・クリストフ・クラフト作品※。 クリストフは目がくらむような気がした。自分の名前、立派な表題、大きな帖面、自分の作品! これがそうなんだ。……彼はまだよく口がきけなかった。「ああ、お祖父さん! お祖父さん!………

ジャン・クリストフ(8/31)

(447字。目安の読了時間:1分) 「考えてごらん。」 クリストフは頭をふった。「わからないよ。」 ほんとうをいえば、思いあたることがあるのだった。どうもこの節は……という気がした。だがそうだとは、いいきれなかった……いいたくなかった。「お祖父さん、…

ジャン・クリストフ(7/31)

(499字。目安の読了時間:1分) 戯曲家としての才能か、音楽家としての才能か、歌い手としての才能か、または舞踊家としての才能か。彼はそのいちばんおしまいのものだと思いたかった。なぜなら、それを立派な才能だと思っていたから。 それから一週間たっ…

ジャン・クリストフ(6/31)

(503字。目安の読了時間:2分) それから数日後のこと、クリストフは自分のまわりに椅子をまるくならべて芝居へいった時のきれぎれな思い出をつなぎあわせて作った音楽劇を演じていた。まじめくさった様子で、芝居で見た通り、三拍子曲の節にあわせて、テー…

ジャン・クリストフ(5/31)

(535字。目安の読了時間:2分) ほかの人なら誰だって、まちがえるかも知れなかった。しかし彼は、はっきりと音色を区別していた。 ある日、彼は祖父の家で、そりくりかえって腹をつき出し、踵(かかと)で調子をとりながら、部屋の中をぐるぐるまわってい…

ジャン・クリストフ(4/31)

(496字。目安の読了時間:1分) その半ば夢心地の状態にあきてくると、彼は動きまわって音をたてたくてたまらなくなった。そういう時には、楽曲を作り出して、それをあらん限りの声で歌った。自分の生活のいろんな場合にあてはまる音楽をそれぞれこしらえて…

ジャン・クリストフ(3/31)

(638字。目安の読了時間:2分) ふるえ、ゆらぎ、はためくすべてのもの、照りわたった夏の日、風の夜、流れる光、星のきらめき、雨風、小鳥の歌、虫の羽音、樹々のそよぎ、好ましい声やいとわしい声、ふだん聞きなれている、炉の音、戸の音、夜の静けさのう…